トゥアレグクロスは、トゥアレグの人々が住む地域ごと(町ごと)のシンボルマークです。
元々は、父から息子に一人前の大人になった証として渡されるもので、トゥアレグの男子はサハラの交易の旅に出る時に、一人前の男性として認められるそうです。(意味は ”son, I give you the four direction of the world because we do not know where you will die” )
現代では主に工芸品として作られ、トゥアレグの中では女性が装飾として付ける事の方がが多いようです。
トゥアレグクロスは21種類あり、1970年代頃から職人によって下のようなセットを作り始めたようです。
※参考文献 「ART BEING TUAREG」
トゥアレグクロスはイナダン(Inadan)といわれる職人集団によって、ロストワックスで型取りしてから柄を彫って作られます。
クロスの彫柄は家紋のような柄を受け継ぎながら、職人アレンジも加えられていたようです。
このイナダン軍団はトゥアレグとはまた違う金属加工・木工・皮革加工などの血族職人集団で、トゥアレグから注文を受け彼らの装身具や身の回りの道具などを作っていました。
トゥアレグクロスの中で一番有名なものが、アガデスクロスで、アガデスの町(地域)のシンボルマークです。
アガデス(Agadez)はいまは各国に分散しているトゥアレグの総本拠地で、ニジェールの世界遺産になっているサハラ砂漠に近い街です。
こちらはアガデスクロスを鋳造している動画と、叩いてる動画です。
シンプルな道具を使い、昔ながらの方法で作られています。
ついでに、下は西アフリカの金属加工職人の本「Legacy」のプロモーション動画です。
西アフリカの金属加工の風景は本当にこんな感じした。
西アフリカには、トゥアレグだけでなく他にも素晴らしい職人が沢山います。