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「アート」の検索結果9件

アフリカのヘアスタイルと床屋の看板

アフリカの長く豊かなヘアスタイルの歴史 アフリカの髪型のルーツは紀元前のエジプト時代にまで遡るといわれ、様々な民族によって何世紀にもわたり受け継がれたスタイルがあります。 初期のアフリカ文明では、ヘアスタイルは人の家族の背景、民族、社会的地位を示し、それはアイデンティティを現してきたともいわれます。 現代でもアフリカでは理髪店や美容院が多く、髪型を整える為に時間を費やし、髪に関する美容代の割合が比較的高いともいわれます。 西アフリカの街の床屋 ナイジェリアの写真家であるアンドリュー・エシエボ(AndrewEsiebo)は、西アフリカの7か国(ベニン、コートジボワール、ガーナ、リベリア、マリ、モーリタニア、セネガル)を旅して、街の中で床屋が現在どのように機能しているかを確認し、サロンの美しさを写真で記録しました。     エシエボは次のように説明しています。 理髪店は、人々が家や公共の場で、政治や恋人さえも含めて、話せないことについて話し合うための親密な場所です[…]さまざまな分野の人々がさまざまなクラスの人々が集まる数少ない場所の1つです。 、ミックス[…]彼らのサインは、しばしば光沢のある色で手描きされ、道具や男性のヘアカットの奇妙な複製であり、伝統と現代性の共存を反映しています。     床屋の中には比較的現代風のものもあれば、シンプルな形態もありますが、ほとんどの床屋は、黒人の文化、スポーツ、音楽のアイコンの写真で飾られることが多いです。 エシボによると、スタイルの多くと、そのように髪をカットすることを選択した個人的な感覚は、国・文化・政治の枠組みを超えるといいます。 そして、顧客は流行のスターやアイドルと同じ髪型を望むことが多く、理髪師はその要望に応えます。   床屋の看板とアーティスト 理髪店は、外側に手描きの看板が釘付けになっているシンプルな店は自分で看板を作ることもありますが、多くの場合、独学の看板アーティストによって木製のパネルに描かれています。   このような看板は、1930年代から1950年代にかけて都市部でサービスを宣伝するために最初に登場し、その後村ままで普及していきました。 小さな小屋もありましたが多くの場合、野外にハンドル付きの携帯用看板を吊るし、椅子と鏡を設置し、床屋をオープンしました。 看板はしばしば最新のヘアスタイルを提示します。 アメリカの大衆文化の影響は、「ボーイング」「フォード」などの名前のついたアフリカの現代的なヘアスタイルを生みトレンドを維持してきました。   美しい剃り込みの美学 アフリカの床屋の看板は横向き絵が多く、美しい頭の形と剃り込みのラインを強調します。   現代では、印刷ポスター、モダンスタイルの建築の出現により、アーティストによる床屋の手書き看板は少なくなりました。 しかし、壁に直描きのお店はまだ健在で、このようなお店はゲームや携帯電話サービスなど追加のサービスも提供しながら、人々が集まり交流する身近な場所であり続けています。     西アフリカの新しい美容ファッションカルチャー 髪型だけでなく昔より美容の意識が高いアフリカでは、様々なビューティートレンドが生まれてきています。 ガーナではセレブに人気のの出張ヘアサロンサービスが人気で、中央アフリカ共和国では男性ネイリストが活躍するなどジェンダーレスに美容業界が盛りあがりをみせています。 これからもアフリカの様々な街で、新しいムーブメントが起こり、それとともに新しいアートとカルチャーが誕生し、アフリカの感覚で今の時代を映しだしてくれるのでしょう。   中央アフリカでの人気のネイルサロン ビューティー産業で大活躍する、中央アフリカ共和国の首都バンギの男性たち   ■『西アフリカの街』展 開催中  ■ 駅のカフェに、西アフリカがやってきた! 2022年 4月15日(金)~7月15日(金) AM6:00-PM9:00  アートの買える駅のカフェ TOMORROW gallery BECK’S COFFEE SHOP 高田馬場店内 西アフリカの街を彩った看板・ペイント・作家作品など、カフェ店内での展示とオンライン販売    

カラフルに祖先と繋がる精霊の衣裳 エグングン

ヴードゥー教は(Voodoo)は、西アフリカのベナンやカリブ海の島国ハイチやアメリカ南部のニューオーリンズなどで信仰されている民間信仰です。 西アフリカのギニア湾岸、ナイジェリア・ベナン・トーゴ付近が発祥で、今でもヨルバ・フォン・エウェの人々に信仰され、特にベナンでは約40%の人に信仰され、1989年には国の国教に指定されています。 また、ヴードゥー(Voodoo)はカリブの信仰も含めた英語の発音で、西アフリカでは現地ではヴォドォン(Vodun)と呼ばれています。(フォン語での「精霊」の意味) 映画の007「奴らは死ぬのだ Live and Let Die」で登場するような黒魔術を連想させるヴードゥー教は、植民地時代の奴隷貿易で西アフリカからカリブ海地域へ強制連行された人々の信仰とカトリックキリスト教が融合した宗教です。 西アフリカのヴードゥーの儀式の中に鶏や羊などの供物を求め、それを神に捧げたり、床にアルコールなどを注ぐ儀式もありますが、地元の信奉者は魔術や黒魔術とは何の関係もないことを強調しています。     ヴードゥー教の発祥の地とされるベナンのウィダーでは、毎年1月10日に盛大にVodunヴォドン信仰の祭典が最大に行われ、その中のハイライトは「エグングン Egungun」といわれる精霊のパーフォーマスです。 エグングンは、ヨルバ民族の先祖の霊を代表する仮面舞踊家で、祖先と現世の人々を繋ぐ神であり社会の道徳や争いの判決をもたらすなど、人々の絆と生活の安定を司る精霊とされます。 エグングンのパフォーマンスは様々な、体をモチーフで飾られた華やかな布のマントで覆い、顔もタカラガイの殻の仮面で覆われた状態で踊ったり歩いたりします。その時に、観客が彼らの目を見たり触れたりすると、その人に良くないことが起こるといわれます。 ヨルバ民族の先祖の霊を代表する仮面舞踊エグングンの華のやかな衣装は、布を不死の概念として象徴的に捉えるヨルバの思想を表したものといわれます。 ヨルバの社会で布は体を覆い、保護し、美化、敬うだけでなく、宗教的な精神の象徴とされ、葬儀で親せきが集まるときは幾つかの布の束を持ってくる風習があるそうです。布はなくなった人の精神に届く贈り物で、効果でエキゾチックであるほど価値があるとされ、世界中の高価で美しい布が持ち寄られるそうです。 伝統的なヨルバのエグングンの衣裳は、そのような様々な布辺をはぎ合わせたパッチワークの布を、更に繋ぎマントのようにしたもので、ヒダを増やしていくそうです。その作り方は伝統に従うのに対して、デザインや素材は新しいものを取り入れていくそうで、それは過去の伝統や習慣やルールに従いながら現代の革新や変化を組み入れていく、ヨルバの思想を表したものといわれます。 現代のヴードゥーのエグングンの華やかな衣装は衣裳はアップリケやパッチワークが施された美しい衣装です。 見るだけでも十分興味深いですが、こういった衣裳が生まれる背景やストーリーを少しの覗いてみると、見た目はキラキラしていても伝統文化や思想が凝縮されたアート的作品にも思えてきます。 参照:https://risdmuseum.org/manual/445_cloth_as_metaphor_in_egungun_costumes

気になる西アフリカ映画【OKOROSHI】

2019 トロント国際映画祭(TIFF)ででプレミア上映されたノリウッド映画、 「The Lost Okoroshi」が面白いです。(Netflixで配信) ナイジェリアの新進気鋭の映画監督、Abba T. MAKAMA の作品です。 伝統的なオコロシ仮面の夢に悩まされていた警備員の主人公が、ある日突然、仮面に変身してしまいます。 オコロシ仮面になり人間に戻れない主人公、家族や仕事を諦め、秘密結社の普遍的な原理を探す旅がラゴスシティで始まります。 そして、ナイジェリア古来の精神と現代の瞬間を再接続する使命を開始します。   映画について、マカマ監督はこう述べています。 「私はいつも仮面舞踏会に魅了されてきました。彼らはほとんどすべての国に存在し、普遍的な魅力を持っています。 人間にマスクをかけることで、突然彼らを霊に変えることができるという考えは、常に私を魅了してきました。 私はアフリカ人が彼らの文化や伝統と連絡を取り続けたいと願っています。 グローバリゼーションによって私たちの過去とのつながりがますます難しくなっています。 仮面舞踏会は一般に悪魔化され、西洋の宗教では悪い兆候と見なされています。このプロジェクトでは、物語を変え、仮面舞踏会をカラフルで遊び心のある良性の実体として再紹介することを目指しています。」   展開が早く活気に満ちたコメディドラマです。 映画のビジュアルは、なんとなくシャルル=フレジェっぽい雰囲気、透明な空気感も魅力的です。   以下の予告編をご覧ください。     そして、Abba MAKAMA監督の前回の作品がこちらです。 GREEN WHITE GREEN de Abba MAKAMA Nigeria – 2016 – 102min – Film  VOST project ウソマ、セグン、ババは高校を卒業したばかりで、大学に入る前の自由の瞬間を楽しんでいます。ナイジェリアの歴史についての本を書いている教師の1人のリバータリアンの精神に魅了され、彼らは自分たちのアイデンティティを求めて彼らを迎え入れる映画を作ることにしました。ユーモアとインテリジェンスが豊富なグリーンホワイトグリーンは、ナイジェリア風の映画館の前衛に私たちを突き刺します。 ウソマ、セグン、ババは中学校を卒業したばかりで、大学に行く前の夏休みにいます。彼らはナイジェリアの歴史についての本を書いている過激な教授に興味をそそられ、彼らは映画を作ることを決定し、その過程で自己発見のジェットコースターに乗り出します。機知と風刺がたくさんあるグリーンホワイトグリーンは、ナイジェリアのアートハウス映画の前衛に座ります。   site source by https://tiff.net/events/the-lost-okoroshi GREEN WHITE GREEN de Abba Makama

ファンティ アサフォの旗

アサフォ(ASAFO)は、ファンティ(FANTHI)の軍事組織の総称です。 名前は戦争を意味する「sa」と人々を意味する「fo」に由来します。 ガーナ沿岸に住んでいたファンティの人々に国はなく、軍隊がなっかたので町や村ごとに私兵組織をつくっていたといわれます。(その頃、隣国に強大なアシャンティ王国が存在しています。)   こちらはそのアサフォ軍団(asafo)の旗の一つです。 旗は15世紀以降にギニア湾から入ってきたヨーロッパ人と同盟を結んだ頃から作られ、コットンを使うようになったのはイギリスが宗主国になった19世紀以降のようです。 旗はそれぞれの軍団の”強さ”のシンボルで、軍団は近隣の強国に対抗するため団結する時もありましたが、お互いライバル的な存在でもあったため、歴史的出来事・ことわざなどを挑発的に表現しているものものも多いです。     いろいろなモチーフは乗り物や武器だけでなく、動物・人など様々で、権力や強さや同盟を象徴したユニオンジャックは独立後にガーナ国旗に代わります。 この旗を作っていた職人は、各町にいたのか、それとも代表的な工房がそれぞれのアサフォ軍団から請け負って製作していたのか、少しきになるところですが、 お互いの軍団が競いあい(小競り合い)ながらも、いざという時は団結出来るビジュアルの統一感は絶妙です。   飛行機の旗が作られたころは第一次世界大戦中が多く、ファンティの人々は宗主国の英国に忠誠を尽くすとともに、独立の話し合いがはじまったのもこの頃のようです。 飛行機は自由にどこへでも行けるという事を表すようで、アサフォ軍団は其々アサフォ神社?のような建物があり、エルミナ(Elmina ※2)の神社には飛行機も祀られています。   言葉にすると厳つく深く、ビジュアルはナイーブなアサフォの旗、そんなギャップも魅力のひとつかもしれません。 →オンラインショップ   ※2エルミナ Elmina  (Wikipediaより抜粋) 1471年当時ギニアと呼んだこの地をポルトガルが訪れ、ギニア湾の防衛基地とするサン・ジョルジェ・ダ・ミナ城(エルミナ城)をつくり、奴隷貿易の拠点となったガーナの都市     ■ASAFO 関連のYouTube動画。 Tateのキュレーターの解説など3本、歴史とも絡んでいて結構参考になります。 見方や解釈は色々あるかもしれませんが、旗がアートになってゆく、、、   Asafo Flags: Stitches Through Time      

ティンガティンガ絵画

こちらは作者不明のティンガティンガのペイントです。   作家ものではありませんが、派手過ぎず地味すぎず、鳥のバランスも良い感じです。 使っている色は同系色ですが、クリアーな線と、塗料のハッキリした色ノリもあり、アフリカらしい力強さもあります。     ティンガティンガは1968年、エドワード・サイディ・ティンガティンガによって始まった絵画です。 タンザニアの田舎で生まれ育った彼は、当時の首都ダルエスサラームに来た時に、お金がかからずに描ける自転車塗料のペンキと建築用合板を使って、その子ども時代の思い出や身近な風景などを外国人に売るために描きました。 E・S・ティンガティンガは1974年に不慮の自己にあい亡くなりました。絵画を描いた期間は約4年だけです。 またその期間、自分の商業的成功(そのやり方)を独占するのではなく、描きたいという身近な人に、絵の描き方の手ほどきをしました。彼がなくなった後、色々なスタイルに派生しながらも、ティンガティンガの絵の大きな特徴は今も継承されています。 ティンガティンガの絵は、富や名声も皆で分け合う、おおらかな助け合いの精神から生まれたがタンザニアのフォークアートな気がしています。

Swing Mode Africa 東西アフリカ作家の二人展

■開催期間: 2019年3月19日(火)~30日(土)3/24日休み ■場所:うとうと(銀座) 11:00~18:00(最終日17:30)   ■アジャラドゥ・ウエドラオゴ(ブルキナファソ) 日本初 展示期間:3月19日(火)~23日(土) Adjaratou Ouedraogo ※出品:colophon folk art ■マイケル・ソイ(ケニヤ) 展示期間:3月25日(月)~30日(土) Michael Soi ※出品:株式会社:ニーマ 展示会開催中、マリ共和国大使館シェフ直伝の、うとうとスペシャルマリ料理(数量限定)もご用意。 その他、雑貨やテキスタイル、トンボ玉アクセサリー、木彫品など、OLD&NEWのアフリカ盛りだくさん。 アフリカのアート&フード&ザッカ、銀座の隠れ家的ショップ(うとうと)でお楽しみください。   ■後援:マリ共和国大使館 ブルキナファソ大使館 ■協力・出品・企画: colophon folk art (アジャラドゥ・ウエドラオゴ/トンボアクセサリー/アフリカ布/木彫品) GLOBE ART(雑貨/トンボ玉/アフリカ布/木彫品) 株式会社ニーマ(Michael Soi /Soi バッグ)