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2020年4月

一目でわかる!多様なアフリカの民族

アフリカの民族地図 人類学者のマークレオフェリックス(Marc Leo Felix)が編集した、ハーバード大学のアフリカの民族の地図です。 各色は人々の所属認識に基づいて色分けしてあり、大多数を構成する民族グループにほぼ対応しています。 この調査では、サハラ以南のアフリカには、地球上で最も民族的に多様な国の多くが含まれていることがわかります。 特に、西部アフリカと中央アフリカ全体に、非常に多くの民族がいる事を示しており、このようにビジュアルで見てもとても美しいです。   そして博士によると、この地図を見る時に、留意する事が3つあるそうです。 ①言語と民族の多様性はよく連携する。 必ずではないが、言語はあらゆる社会的コミュニティの基本的で、民族性は多くの場合、コミュニティーの性質と似ています。   ②民族のアイデンティティは柔軟。 特定の人は、彼または彼女が交換して使用する複数の民族的アイデンティティを持っており、それは全世界に共通します。   ③民族的アイデンティティーは変化する。 その一つの原因に、経済的困難、身体的不安、政治紛争の際に、民族的アイデンティティが狭くなることがあります。。例えば、2002年のハーバード大学の研究が指摘では、ソマリアの民族的アイデンティティは、その国の飢饉と内戦の後でかなり狭まりました。 ただ、そういった紛争や資源不足がサハラ以南のアフリカの民族の多様性を引き起こしているわけではないです。例えば、中国の飢饉と内戦は、世界最大の民族グループの1つである漢民族のアイデンティティを狭めることもなく、インドネシアは近年発展していますが、民族が均一化しているわけではないです。 サハラ以南のアフリカに関しては、民族の多様性の多くは地理に関連している可能性が高いようです。特に人口がまばらな地域は、多くの場合、民族的に多様性があります。各コミュニティー間には地理的距離があり、数世紀前より進行している民族の均一化に時間がかかったといわれます。 博士のまとめ 現代のこの多様性は、たとえば標準化された国家教育の導入には困難をもたらす可能性がありますが、良い点も多いです。 非常に民族的に多様な国は、1つのグループが他を支配するのに十分な大きさがないため、民族紛争に対して抵抗力があります。 そして、すでに均一化してしまっている国と違い、このような多様性は、簡単にアーカイブできる時代にを背景に、今後も継承しやすくなっているともいえる。   感想 Felix博士の”経済的困難、身体的不安、政治紛争の際に、民族的アイデンティティが狭くなる”という指摘は、まさに今、国境・コミュニティを閉ざしていく方向に向かっている状況とリンクしてしまいました。 ここ2か月、コロナの自粛が始まってから、アフリカを中心にビデオアーカイブをよく見ています。仮面ダンスなどは木製以外も結構ありますし、儀礼用品や民具だけでなく、建築や音楽や踊りもとても多様で、まだまだ知らないことも沢山あり、とても興味深いです。 アフリカは元々無文字の社会も多く、それまでは伝統的な生活続ける事で口承で伝えられ、記録を必要としなかった文化も多いです。 しかし、今時代が急激に変化しており、伝統的な生活をそのまま続けていくのは困難があると思います。 博士が言うように、せっかく簡単に記録・保存できるこの時代までしっかり伝統をリアルに守ってきているのだから、出来るだけアーカイブを行い、伝統的な姿や考え方などが残る事を期待します。 こういった多様さはアフリカだけでなく、色々な地域にあると思います。(インドネシアなどもカラフルなモザイクになりそう) そしてその中には、これだけの多様な文化や民族同士が何千年も共存してこれた、根本的な秘訣があるかもしれないです。   参照サイト:https://www.vox.com/2015/11/10/9698574/africa-diversity-map ※地図のデータは1959年の人類学者ジョージ・マードックの民族誌(1595年)と、ハーバート大学の研究(2002)が基になっている。  

南アフリカのドキュメンタリー Nai:The Story of a !Kung Woman

ボツワナ・ナミビア・アンゴラ・ザンビアにまたがって住んでいるサン(San)人の中の一つのグループの一つ、クン(!Kung又はJu/hoansi)のある女性の約30年の綴ったどドキュメンタリーです。   ※サン人 クンの人々に関しては、私は良く知らないのでリンクを着けておきます。が、地図は拝借させてもらいました。(見難くてすみません。) この作品、1980年に出版されているようで、1951年から27年かけて撮影されてるようです。 古来より続けてきた伝統的な生活から、1970年に政府政策よってサンの人々が特別居留地区に移動し、欧米の人の影響を受けながら、約30年間に環境と生活がどんどん変化する女性の人生が描かれています。ある女性の少女の頃から30歳半ばまでの肖像という感じです。 時間をかけてとても丁寧に撮られていて、とても良かったです。(かなり有名な映画だと思うのですが、私は最近見ました。画面を見てるだけでも大体わかります。) 変化は止められない、ここにきてまた世界中で変化していきそうです。何とも感慨深い作品です。     ■Nai: The Story of a !Kung Woman (大体1時間くらい 英語字幕なし) Marshall, John, 1932-2005; Documentary Educational Resources (Firm) https://archive.org/details/naithestoryofakungwoman/naithestoryofakungwomanreel2.mov://   同じ監督の別のショートフィルムの、「Lion Gme」も可愛いです。子供たちがライオンハンティングゲームをしている様子で、こうやって大人になるまでに、段々と狩りを覚えていくのでしょうか。(約3分半) https://archive.org/details/liongame_201609   ■Nai:The Story of a !Kung Woman プレビュー動画  

ロビ Lobi

※過去の動画や画像がありますが、現在は違う状況です。    住んでいる場所 ロビはブルキナファソ南東・コートジボワール北東         Art and life in Africa map      ざっくりヒストリー ロビは現在のガーナから1770年頃にブルキナファソ南部に移住し、その多くは国境を越えて現代のコートジボワール北東部に移り、また一部はコートジボワールからブルキナファソ南部に戻ってきたりしました。 移動の理由の一つには、植民地時代の奴隷狩りから逃れる為であったといわれます。 かつて、ロビは自分たちのコミュニティ外からの政治的権力に抵抗した人々として有名でした。ロビの村はそれぞれ基本的に独立しており、ロビ全体での政治的なまとまりはありませんが、フランスの植民地化には強い抵抗を示してきたといわれます。 相手は銃を持っていたと思いますが、弓矢で勇敢に戦ったともいわれます。        生活 ロビは主に、キビ、モロコシ、トウモロコシを耕作する農業を営んでいます。 男性は通常、畑の開拓と植栽の準備を担当し、女性は種蒔きと収穫のほとんどを行います。また、農業の合間に男性も女性も手工芸品を作り、地元の市場で販売します。家畜や牛の飼育も行い、その一部は結婚の持参金や罰金の支払い、信仰の供物として使用されたりします。 ロビは古来より狩猟中心の生活を続けていましたが、銃の普及により獲物が減少し農業中心の生活に移行してきたといわれます。  Society of African Missions の動画リンク  1950年頃の様子のようで、現代の様子ではありません。少し上から目線も感じますが、当時の様子、生活の道具、後半に葬儀の様子など見る事が出来ます。        コミュニティー ロビの村は点在して広がっており、しばしば他の民族エリアと混ざり合っています。きっちりと地理的に区別することは難しいです。また、個々の村に存在するティラ(神の使者)同士の提携により、地理的に離れている村でも同じコミュニティーとしてとらえる事もあります。 宗教的な占い師はコミュニティの長として認識され、色々な決定事項・道徳の規範など、村の住民は基本的にそれに従って生活していきます。各村は基本的に独立しているので、ある村では禁止されているものが別の村では大丈夫だったりと、村ごとのルールには特徴があります。   ■ロビの村に旅行に行かれた方の、ブログ記事を見つけました!その時、村の方から聞いたロビの説明をまとめた記事がとても良いのでリンクをいれます。これだけでなく、アフリカの色々な記事がとても良くまとまっていて、素晴らしい!最近のロビの様子も旅行記から伺えます! →ブログ:アフリカに「おもいやり」のロビの基本情報ページ →ブログ:アフリカに「おもいやり」のロビの村旅行記①ページ →ブログ:アフリカに「おもいやり」のロビの村旅行記②ページ 四角底のストローバスケットはこの地域の形だったのか!      神話・精神世界 ロビはかつて彼らと神と一緒に理想の楽園に住んでいて、何も望んでいないと信じていました。しかし、人々の数が増加し始めると男性は女性をめぐって互いに戦い始め、その結果、神は人々に背を向けてしまいました。 しかし、神は人々が完全にいなくなることを望まなかったので、人々を見守る使者としてティラ(thila)を人々の世界に送りました。ティラは自分のメッセージ・要求・禁止事項を、占い師を通して人々に伝えます。 また、ティラの世界では男性の上に多数の自然霊が存在するといわれます。ロビには自然霊とティラを難なく区別できるといいますが、これは外部の人には分かりずらい事でもあります。      作品 (木彫・ブロンズ・陶芸・建物・音楽など) ■木彫 ロビは毎日使用される道具から、宗教的な理想を具現化する人物まで、木彫品を作ります。 その一つに神話に基づいた精神世界を現す「バティバ  Bateba 」と呼ばれる木彫の人形があります。 ロビの人々の精神的世界観には、創造神の次に「ティラthila」 と呼ばれる目に見えない超自然の精霊が存在しています。「バティバ 」は「ティラ」の助手と考えられ、祭壇に祀られた瞬間から命を授かり、人間を妖怪や病から守り、富や健康、豊作、結婚、出産などの幸福をもたらすといわれています。 「バティバ」は様々な種類があります。 動物は基本的には「バティバ」の助手役で、鳥、ガゼル、キリン、カバ、ゾウやカメレオンなどがあります。造形はシンプルですが、この動物には生命が吹き込まれたような存在感があります。 また、「バティバ」は「ティラ  thila」(超自然の精霊) の祭壇に配置され、互いに通信し、魔物と戦うことができる生物として認識されています。 ロビの祭壇は家の奥の暗い場所に大体ありますが、「バディバ」は時々魂だけ外に外でお出かけするそうです。(リフレッシュですかね?)      神と木彫と人の関係をまとめると、大体こんな感じでしょうか? 「神」 ↓ 超自然霊「ティラ」(神の使い) ↓↑ 交信 ←占い師 間を取り持つ 祭壇に置かれた木彫り「バディバ」 → 時々、祭壇の外に外出する ↓ ←占い師 間を取り持つ ロビの人々  富や健康、豊作、結婚、出産などの幸福をもたらす   ■多種多様な護符 妖怪や病気、攻めてくる敵から身を守る為の護符 富や健康、豊作、結婚、出産などの幸福をもたらすもの   ■美しい建物やインテリア   ■音楽   reference:The University of Iowa Stanley Museum of Art , Art &Life in Africa  

ブルキナファソ 自転車の風景

まず、ブルキナファソとは? ブルキナファソ(Bukina Faso)はに西アフリカの国で、サバンナとステップ気候にまたがった降水量が少ない比較的乾燥した暑い国です。(気温18-39度) 島国の日本と比べると、起伏が少なく広く平たんな土地が国全体に広がります。 アフリカの国は資源が豊富な国も多いのですが、ブルキナファソは目立った資源が見つかっておらず、国民の大部分が農業に従事している国で、経済的にはアフリカの中でもまだまだ高い水準とはいえません。 (余談ですが、北東の隣国ニジェールも発展これからの国ですが、ウランに続き・金・銀などの鉱物、更に油田も見つかり、お隣ですが、国の未来図は分かれそうです。)   ブルキナファソと自転車 ブルキナファソは自転車愛好の国で、周辺国と比べてもサイクル人口は多い気がします。(私の感覚ですが) 首都のワガドゥグーでも、ちょっとそこまでというか、数キロ先に行くようなミニバスやタクシーなどが割と少ない感じがします。(バイクタクシーはあるけれど) 土地が平らな事もありある程度道が舗装されているとかなりスムーズに自転車をこげ、もちろん健康にも良くガソリンも要らないので経済的、色々なところで推奨もされています。 昔は徒歩で移動していたところを、自転車を使うことで移動時間の短縮が出来ます。仕事や家の手伝いをしながら学校に通えたり、週3回市場に野菜などを売りに行っていたところを毎日売りに行けたりと、収入にも繋がるそうです。モーターサイクルや自動車も増えていますが、自転車はまだまだ生活に欠かせないものです。   日本の自転車も活躍中 何気に、日本の中古自転車も大活躍しています。 先月、ブルキナの中古自転車ディーラーが日本に600台仕入れに来ていました。とても人気があるとのことです。 道のは舗装されているといっても、土のでこぼこした道が殆どで、パンクはしょっちゅうあります。ブリジストンなどはタイヤの性能も良く、パンクし難いので非常に人気があります。(アフリカではタイヤ命) ワイヤー自転車は昔からある定番のツーリスト向け雑貨なのですが、その素朴な雰囲気、ブルキナらしい自然派の志向、真面目な手仕事の温かみを感じます。 手仕事のワイヤーワークは、ブルキナだけでなくアフリカの人は、細長いものを編んだり捻じったりするのはとても上手、密かにアフリカらしさを感じる一品でもあります。   こちらは、ブルキナファソのサイクリングライフを推奨している団体の動画です。 (source Cycling with honourable people.wmv by Cyclingoutofpoverty)     こちらは、ワガドゥグーの雰囲気つたわるyoutube動画です、参考までに。